自費出版で結果を出したいのであれば、色々な方策が必要になります。細かなテクニックは担当の編集者が担ってくれるでしょう。著者が心掛けるべきなのは、言うまでも無く文章です。稚拙な文章が印字された本など、間違いなく売れません。

文章が全編に渡って洗練されていることが、売れるための大前提なのです。ではどのように原稿を執筆すればよいのでしょうか。アドバイスすべきポイントは沢山ありますが、その中から「構成」についてお話ししたいと思います。

最低限「構成」を意識しよう

      

自費出版なら心配する必要はありませんが、商業出版の著者は思わぬ形で出版を諦めることがあります。それは、編集が原稿を読んだだけで難色を示すことです。意外に思われるかもしれませんが、あまりにも文章が下手だった場合、出版の話自体が立ち消えることもあるのです。

それは、編集の仕事にも限界があることを示しています。プロが手直ししても徒爾に終わる文章しか書けなければ、諦める他ありません。

確かに文章能力の高低は厳然と存在しますから、現在下手な人が急に上手になることなど考えにくいのですが、それでも最低限気を付けるべきポイントというものが存在します。文章構成に関してもそれは当て嵌まり、まずは無難な構成を身に付けることが大切です。

書籍の出版に乗り気な人であれば、これまでにブログやSNSで文章を公開しているケースが大半です。ですから執筆すること自体には慣れているはずです。しかしブログのような媒体は、編集者が存在しません。編集者がいないということは、誰も構成に関して指摘しないのです。

その結果、構成を無視した文章を量産してしまいます。

本が売れない理由

出版不況と言われて久しい昨今、書籍の売上は確実に落ちています。読書習慣が衰退しているのでしょうか。

しかしベストセラーに限れば10万部を超えることも珍しくありませんし、年によっては100万部を超えることもあります。つまり数多の人に読まれる本も存在するわけで、出版社がそれだけの本を量産できていないだけだと考えることも出来ます。

質の高い本しか手に取ってもらえない時代なのですから、出版社も謙虚に受け止め、策を講じる必要があります。

出版関係者の中には自分たちの責任を回避するべく、「良い本を出しても売れない」と嘆く人がいます。果たして本当にそうした現状があるのでしょうか。

実はこの種の言動は、著者や編集に対する思い遣りが半分含まれています。「読者の読解力や素養に問題がある」と言ってあげれば、売れなくても著者は安堵するのです。

また、売れている本を見下して悦に入る時もあります。他社からベストセラーが生まれると、本当は悔しいのですが、心理的な防衛機制としてそのように言ってしまうのです。

いい本は売れる

では仕事の出来る編集はどのように現況を評するのでしょうか。彼らは一様に「確かに売れなくなっている。でも編集が相応の仕事をすれば、良い本は必ず売れる」と鼓舞します。

この姿勢は編集に限らず、仕事の出来る営業、取次、書店員は皆そのように構えていると感じます。出版業界に限らず、質の高い商品が売れないことはよく起きます。

しかし売れないのにはそれなりの理由があるのです。売上を伸ばすための努力は多種多様なのですが、経験不足の編集は、それらの方策を採らずに最初から諦めています。

自分の責任を回避するために、著者の力量や営業の怠慢が原因だと決め付ける人までいます。